令和○年(ワ)第○○○○号
損害賠償請求事件
原告 ○○ ○○
被告 大阪府 外2名

陳 述 書

令和4年9月12日  

 大阪地方裁判所堺支部 御中

 大阪府立泉大津高校 卒業生  P   


 私は、平成29年4月に府立泉大津高校に入学し、令和2年3月に卒業しました。1年時の学級担任は石井教諭、2年時の学級担任は村田教諭、3年時の学級担任は木岡教諭です。また、学年主任は、3年間を通して中山教諭でした。
 1年時、秋に開催される文化祭の企画において、私の所属する学級(1年●組)では「階段アート」(階段に装飾を施すもの)を実施することとなり、当該階段アートのデザインの公募と同時に、文化祭において着用するクラスTシャツのデザインが公募されました。公募にあたっては、誰がデザインをしたのかおよび誰が投票をしたのかについては全て匿名で多数決を行うこととなりました。私は、階段アートのデザイン案を1点と、クラスTシャツのデザイン案を3点提出したところ、そのうちの1つがクラスTシャツとして決定されることとなりました。担任である石井教諭から、Tシャツ業者へのデザイン清書およびサイズごとの発注枚数を細かくチェックするように依頼されたため、私は快く手伝いました。
 しかし、あとは実際に発注するのみとなったタイミングで、多数決で決定したはずのクラスTシャツのデザインについて、一部生徒から批判が出たため、石井教諭は一度発注をストップし白紙に戻しました。クラスTシャツのデザインについては、「既存のデザインなどを模して、商標権や意匠権等を侵害することがないように」と規定されていましたが、一部の生徒が「ブランドロゴを模したものにしたい」と主張したため、石井教諭は優柔不断に一度決定した案を取り消したのです。対案として提出されたデザインは、ブランドロゴを模したものであったため、商標権や意匠権等を侵害する可能性が高く、学校教育に相応しいものであるとは言えないものでしたが、石井教諭の独断と偏見による非民主的な手法で、商標権や意匠権等を侵害する可能性が高いデザイン案であるにも関わらず、不当に採用されることとなりました。
 結果的に、宙に浮いてしまった私のクラスTシャツデザインは、石井教諭のさらなる独断と偏見による非民主的な判断で、階段アートのデザインに回されることとなりましたが、そもそも私がクラスTシャツのデザインとして考えたものを、一度採用したにも関わらず勝手に階段アートに利用されたことなどから、この頃には石井教諭に対して強い不信感を持つようになっていました。私の提出したデザイン案は、階段アートのデザインとして採用されたところ、さらにこの階段アートのデザインが気に入らなかった一部生徒が、私のデザイン案に排泄物の絵を描き込み、「お前がやれ」と書いた板を持った状態で写真を撮り、クラス内におけるSNS(LINE)グループにおいて投稿する加害行為に及んだため、私はこれを「いじめ」であると感じました。そこで、石井教諭にSNSで当該いじめ事象を相談しましたが、全く相談には乗ってもらえず黙殺されました。加害者生徒には、指導どころか聞き取り調査すら行われていません。それどころか、石井教諭は学級担任である立場でありながら、加害者生徒が「お前がやれ」と書いた板を持った状態の写真を、私個人のSNSにさらに転送することにより、私を精神的攻撃する有様でした。

 文化祭の後、私に対するいじめがさらにエスカレートし、校内外において私が盗撮されたり、私の参加していないSNSグループ等に当該盗撮写真を晒されるなどの被害のほか、「ブス」「クソビッチ」「ゴキブリ」等の罵詈雑言が飛び交っていました。さらには、体育の授業でボールを投げつけられるなどの物理的・身体的暴力もありました。これら被害については、学年主任の中山教諭に「証拠として認められない」とされたり、加害者生徒が「記憶にない」と言ったため、私の「被害妄想」であるとされました。

 3年時には、被害の証拠を情報科教員の窪井教諭に持ち込み、1年時以降のいじめ被害を相談したところ、窪井教諭は資料を揃えて被告山田および被告中村を始めとしたいじめ対策委員会へ提出したように聞き及んでいます。しかし、結果として上記の行為は全ていじめとして認定されませんでした。
 他にも、府立泉大津高校では男子生徒が女子生徒の下着を無差別に盗撮し、その動画がSNS等を通して流出する事案が生起しており、撮影者(加害者)本人を特定できるものも動画内に写っていました。このような犯罪行為の深刻な被害についても、同様に窪井教諭を通じて相談をしましたが、学年主任の中山教諭は「男ならスルーできるのに君はスルーできないんだね」と笑いながら誤魔化しており、中山教諭の性差別を前提とした発言に怒りを感じるとともに、府立泉大津高校における深刻な隠蔽体質に衝撃を受けました。もはやこのような盗撮行為は「いじめ」の範疇を超えていると思います。この際に流出した動画についても、岡本教諭および青木教諭に証拠を預けましたが、生徒指導は為されていません。
 3年時において、石井教諭は「いじめがあったなら相談してくれればよかったのに」などと白々しく私に発言していましたが、1年時修了時の通知表には「1年間悩むこともあったと思います。自分の良い所、悪い所は誰にでもあります。どっちの面も正面から向き合ってください。」とのコメントがあり、私がクラス内でのいじめについての悩みを打ち明けていたことは明確であると思います。このように、石井教諭はいじめを隠蔽して誤魔化そうとしたばかりか、相談した事実すら揉み消そうとしており、その性質は悪質極まりないものです。

 こうした「いじめ」の被害については、以下のとおり、「いじめアンケート」にも記載しましたが、これも合わせて隠蔽されました。

いじめについて学校に訴えたけど取り合ってくれなかった。隠蔽されたのか心配。
指導もなにもなく、日々辛い思いをしながら学校に来ている。どうにかしてほしい。

 またさらに、こうした「いじめ」を隠蔽した責任者は校長であった被告山田および教頭であった被告中村らである事実も間違いありません。府立泉大津高校における隠蔽体質の程度は相当程度高いと言えます。被告大阪府は「生徒指導案件については、生徒指導委員会で検討を行うとともに、その行為の内容により必要かつ適切な指導を行うなど対応している。」と主張しているようですが、そのような説明は虚偽です。必要かつ適切な指導は全く行われていません。

 また、被告大阪府の主張する「適切な指導」については、以下のとおり異議を述べます。

 府立泉大津高校においては、“被害者のケア”という言葉がいじめ防止措置として挙げられていますが、実際には、本件いじめ事案についての聞き取り調査の場で、被害者である私を男性教員数名で取り囲む形を取り、発言しづらい環境を作ったり、3年時学級担任の木岡教諭は私の見た目や態度を批判するなど、被害者の立場を考えない最悪の「ケア」でした。
 また、「いじめ」の加害者生徒の保護者には、被告山田、被告中村ともに話し合いの場に参加し、騒ぎになったことへの謝罪や、被告山田がいじめ案件を知らなかったことについて謝罪をしているところ、被害者生徒である私の保護者へは、教頭である被告中村が「加害者生徒らの聞き取り調査が終われば必ず連絡する」「週明けにはする」などと言っていたにも関わらず1週間以上が経過しても連絡がないため、こちらから電話を掛けると、「そろそろ連絡しようと思っていた」「大ごとにしたくない」「(被害者生徒の)保護者が来ると目立つから学校には来ないでほしい。」と発言するなど、全く誠意のない対応でした。
 同じく、被告山田は加害者生徒の保護者には謝罪したが、被害者生徒・保護者とは一切接触せず、謝罪も一切なかった。「事実確認する」との発言も全て嘘であり、加害者側にも被害者側にも誠意のない対応を取っていました。
 加害者生徒の保護者には校長山田が自ら謝罪し、被害者生徒の保護者には電話一本すら架けない。こうした指導のどこが適切であるのか、また、生徒指導委員会で誰と誰がどのように話し合えばこんな情けない対応になるのか理解できません。

 令和元年の10月の職員会議では、被告中村が「被害生徒は処罰感情が強く、当時のことも鮮明に覚えている」「現在(3年時)までいじめが続いていると申し出があった」「しかし全ての事実確認を取れなかった」「本校の懲罰規定にはいじめであれば10日以上の停学と決まっているが、2年も前のことであり、今も続いているかもしれないけど、それが確認できない。だから加害者生徒に指導はしない」「被害者生徒を継続的に見守る」と発言した事実を確認しています。
 この発言について私見を述べると、いじめの被害を2年も黙っていたのは、それだけ心身ともに傷つけられ、転校や自殺も考えるほど悩んだことを、簡単には自分の口から友人や先生に相談できる状態ではなく、「2年経ったからこそ動き出せる決心がついた」ということです。その被害者の心理を理解できなかったことは非常に残念かつ、被告山田および被告中村は校長や教頭として力量不足であり不相応であると言えます。
 1年間の証拠を集めるだけで2年掛かっているのに、3年時の証拠まで、警察でもないのに1人では集められない。だから勇気を出して先生に相談し、加害者生徒に事実を確認してほしい、いじめと認定してほしい、と頼みました。教頭である被告中村や、学年主任の中山教諭、生徒指導の岡本教諭がしっかり聞き取りを行っていれば、3年時の証拠なら加害者生徒の携帯電話等から確認できた可能性が十分にあります。
 学校側の態度は、「大ごとにしたくない」「いじめを隠蔽したい」などの保身ばかり考えていて、どうにか加害者生徒の罪が軽くなる方へと話を進めていることがしっかりと伝わっていました。規定通りの指導も行わず、被害者生徒である私のことを見守るどころか、私が大阪府教育委員会へ送るアンケートに「いじめ案件を隠蔽された」と書いたことについても、教育委員会に提出する前に学級担任である木岡教諭に握りつぶされました。
 職員会議では、森岡首席が「担任を守る」「(いじめを)隠蔽します」と堂々と発言していた事実も確認されており、府立泉大津高校は校長である被告山田、教頭である被告中村を筆頭とし、多くの教員が隠蔽体質であり、弱者である生徒は被害を受けても諦めるしかない腐り切った環境であり、隠蔽体質は非常に明白で、その悪質性は相当程度高いと言えます。

以上



情報公開請求によって大阪府教育委員会から公開された職員会議議事録

 大阪府教育委員会への情報公開請求によって、職員会議資料が全面的に公開されていますので、隠蔽の様子がよくわかるかと思います。

 職員会議資料:2019年10月24日 泉大津高校職員会議記録【画像】

【該当部分 書き起こし】

いじめ防止対策委員会(教頭より)
・9月中旬生徒から相談
・3年生の人間関係トラブル
・1年生の頃のこと
・SNSでの中傷、無断撮影
・本人から申し出
・加害生徒を聞き取り
・情報が漏れた経緯を加害者は気にしている
・いじめの再燃を気にして経緯は説明せず
・いじめの解消を目標に→すでに解消済みと判断
・被害生徒は強く罰して欲しいと主張
・停学10日は難しいので校長訓告
・現在は犯人さがしをしている→一件落着ではない
・指導は終了
・外部からの問合せあり
・加害生徒は疑心暗鬼になっている



石井 菜々江

中山 泰

山田 達也

通称 中村 滉伊知(公一)

岡本 慶之

林 恵史